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富札(高岡町仕法講)

とみふだ(たかおかまちしほうこう)

概要

富札(高岡町仕法講)

とみふだ(たかおかまちしほうこう)

民俗 / 江戸 / 富山県

高岡町仕法方役所

たかおかまちしほうかたやくしょ

富山県高岡市

戊辰(明治元年か)2月15日/1868年か

紙・木版,捺印,墨書

縦18.8cm×横10.1cm

1枚

富山県高岡市古城1-5

資料番号 2-04-36

高岡市蔵(高岡市立博物館保管)

富札とは富くじ、即ち今でいう宝くじのことである。興行主である高岡町仕法方役所が発行して行われた「高岡町仕法講」の富札である。
 表面には上部中央に朱の鶴(おそらく印)と墨書で「三千壱番」とある。番号の「三」にかかるように黒文円印(印文不明)と、「千」にかかるように白文方印(印文「冨田之印」)がみられる。左には朱(おそらく印)で「戊辰二月十五日會」とあり、その下に「高岡町/仕法方役所」と黒印(印文「仕法方役所印」)がある。
 右中央部には分銅型の朱の割り印(印文不明)と黒文方印(印文「壱口銀百七拾目掛/但引人勝手次第/壱人拾七匁加入」)がみられる。この富札1口(枚)は銀170目(匁)で、この仕法講への参加料が銀17匁であったことがわかる。その上部に墨書で「九十」とある。右下には朱文円印(印文不明)の割り印がみられる。上部には藍色の線がみられる。
 裏面にはこの富くじの概要が表に整理されて刷られている。右上に「高岡町仕法講」というこの富くじの名称があり、その左に「鶴三千八百枚」、「亀三千八百枚」、「合七千六百枚」、「鬮當札百枚」、「印違百枚」とある。これは「鶴」「亀」の組がそれぞれ3,800枚、計7,600枚が発行され、当り札が100枚あり、印(組)違い賞が100枚あるということである。またその左の「両袖孫四百八拾四枚」、「都合六百八拾四枚」とは、前後賞にあたる「両袖」と、そのまた前後の賞にあたる「両孫」の枚数が484枚あり、両孫は無い場合もあるので、計684枚あることを示している。
 そして、二段目の「第壱番」から「第百番」は抽選札が100回引かれることを示している。九十九番と百番の間には「間勝(あいがち)/百目」とあるが、これは二段目の番号以外の番号にも銀100目(匁)が当たることを示す。ちなみに抽選方法は、大きな箱に、札の数と同数の番号を記入した木札を入れる。続いて箱の穴から錐を入れて木札を突き刺して取り出した。当選番号は予め決められた回数に取り出された木札に書かれた番号となる。よって富くじは別名「富突き」ともいう。
 当選金額は三段目に記されている。第一番は銀5貫目、二番は300目、三番は200目、四番を飛ばして「五切」、「拾切」とある。これは五と十で終わる切りのいい番号にはそれぞれ250目と500目が当たることを示す。以下、二十五番は2貫500目、五十番は5貫目、七十五番は2貫500目、九十八番は200目、99番は300目、間勝は100目、そして第百番は最高金額の30貫目であることがわかる。その下の四段目は「両袖」及び「両孫」の当選金額が記される。
五・六・七段目は同様に、印(組)違い賞の番号と当選金額、両袖・両孫の当選金額が記される。
一番下の段右には「鬮當リ銀會翌日札引替渡リ」とあり、この抽選日の翌日から富札と引き替えに当選金額が渡されたことが記される。その左には「金六拾八匁/銭拾貫文指」とは「銀68匁=銭10貫文」という為替レートである。一番左下には、「紛失落札損札断不承届候事」とあり、紛失や落札(落し物)、損札(札の破損)は当選札であっても引替えをお断りしますとのことを示す。
 左下には虫損があり、右上と中央に小さな穴がみられるが、資料の状態は概ね良好である。
 ちなみに、当館にはすでに同様の高岡町仕法講の富札を8枚(「丁卯二月二十五日会」3枚、「丁卯八月朔日会」4枚、「巳己二月十九日会」1枚)収蔵している。

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仕法 / 富札 / /

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