懸仏基板
かけぼとけきばん
概要
早瀧比咩神社に伝承されてきたこの円形板は、銅製の部分は全て失われているが、表面には、仏像や花瓶、銅板を固定した鋲穴が多数開いており、懸仏の基板であることがわかる。板には種字(梵字)や花の落書きが見られ、種字から十一面観音の懸仏であったと思われる。裏面には、奉納者や願主、奉納年が記されていて、文安二年(一四四五)に、阿波国守護大名細川氏の家臣で児島に派遣されて用吉(もちよし)の政所で政務を執ったという飯尾因幡守入道真覺(いいおいなばのかみにゅうどうしんがく)が奉納したものとわかる。