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善通寺石造物群

ぜんつうじせきぞうぶつぐん

概要

善通寺石造物群

ぜんつうじせきぞうぶつぐん

建造物 / 安土・桃山 / 江戸 / 平安 / 室町 / 鎌倉 / 南北朝 / 中国・四国 / 香川県

香川県

平安時代~江戸時代

善通寺境内に点在する古代から近世にかけての石造物群である。このうち東院の三帝御廟・足利尊氏利生塔と、西院の御影堂西側層塔・善通寺先師墓内中世宝塔・同中世五輪塔・同近世五輪塔が指定された。三帝御廟は後嵯峨・亀山・宇多天皇の遺髪を納めたとされる3基の石造物からなる。形式的にも鎌倉時代後期まで遡り、また近畿地方と在地の特徴が融合されている特異な石造物である。足利尊氏利生塔は1338年に足利尊氏・直義兄弟が動乱の犠牲者を弔うために旧国に1基ずつ造立したとされる塔である。現在では全国にほとんど残っていない石造層塔である。なお、この層塔の年代は13世紀中葉のものであり、利生塔造立年代より約100年遡る。おそらく元から造立されていた層塔に利生塔としての性格を付与したものと推測される。御影堂西側層塔は、残欠ではあるが平安時代まで遡る層塔である。禅定層塔とともに四国最古級の石造層塔と評価できる。善通寺先師墓内宝塔は、香川県東部の火山石製宝塔でありながら首部を別石で作り、正面に梵字を刻むなど、他地域の影響を受ける。鎌倉時代のものである。先師墓内五輪塔は宝塔北側の中世五輪塔群5基と、さらにその北西側の近世大型五輪塔群9基が指定された。中世五輪塔群は本来の組み合わせではないものの中世前期の在地製五輪塔の典型例と評価できる。近世大型五輪塔群は、近世初頭の藩主クラスの規模のものである。

三帝御廟宝塔:総高168.5㎝、同五輪塔:総高174.0㎝、同宝篋印塔:総高154.0㎝、足利尊氏利生塔総高240.0㎝、御影堂西側層塔残存高:56.9㎝、善通寺先師墓内中世宝塔:残存高135.5㎝、同中世五輪塔:残存高61.5~131.0㎝、同近世五輪塔:228.0~260.0㎝

計20基

香川県善通寺市善通寺町3-3-1

善通寺市指定
指定年月日:20110411

宗教法人善通寺 代表役員 樫原禅澄

有形文化財(建造物)

善通寺は真言宗善通寺派の総本山で五岳山誕生印と号する。弘法大師誕生地であり、高野山金剛峰寺・京都教王護国寺とともに三大霊跡に数えられる。伝承では空海が807年に父・佐伯善通の邸宅を寺院に改めたとされているが、境内からは白鳳期の瓦が出土しており、伝承年代以前から寺院として機能していたと推測されている。

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キーワード

/ 篋印 / 五輪塔 /

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