木造聖観音立像(井田観音像)
もくぞうせいかんのんりつぞう(いだかんのんぞう)
概要
木造聖観音立像(井田観音像)
もくぞうせいかんのんりつぞう(いだかんのんぞう)
鎌倉時代との言い伝えがあるが、江戸時代の作と考えられる。
髻を結い、天冠台彫出。地髪部は毛筋彫りとする。白毫相をあらわし、耳朶は環状としない。頸部に三道を彫出する。左手は屈臂し腹前で蓮華を執り、右手は屈臂して掌を斜め前にし、軽く五指を伸ばす。条帛・天衣・裳(折り返し一段)を着して、蓮華座上に立つ。頭体を含めた体幹部のほとんどを一材より彫成する。内刳は施さないが、背面から薄い補材を当てる。また面部を割り離して玉眼を嵌入する。両手は、肩、肘それぞれ別材を寄せ、両足先、天衣遊離部も別材とする。表面は現在、漆箔が施される。
像高 27.5センチ 髪際高 24.0センチ
1躯
紀宝町指定
指定年月日:20150601
個人
有形文化財(美術工芸品)
所有者西家に伝来する古文書(「於井田村観音の由来」安政二、1855)によると、正嘉二(1258)年、同家の祖先が夢告により海岸に打ち上げられていた金色に輝く聖観音像を持ち帰り安置したことに始まると伝えられている。