大礼服
たいれいふく
概要
武雄領最後の領主、鍋島茂昌着用の有爵者大礼服。衿章・袖章・帽子右側章の地色の萌黄色は、男爵位を示す。
『武雄史』(石井良一著)には「明治三十年勲功に依り華族に列し男爵を授けらるゝや齢既に六十六、宮内鳳凰の間が床滑かにして往々顚倒するものあるを以て、万一の失態あらんことを虜り甞て式部官たりし令息英昌を代理として拝受せしめてはと懇請したが、茂昌は明治の初年陛下御幼少の時、天顔を拝したるのみなるを以て一世の光栄として今一度竜顔を拝したしと之れを退け、自から参内し初めて洋服を着用し初めて靴を穿ちたるに拘はらず悠々迫らず御前に進み之れを拝授した。其の態度進退度に叶い実に見事であつたと云う。これは能楽の仕舞から慣れられたものであるとの評判であつた。」とあり、このときに撮影されたと思われる肖像写真も残されている。
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