釜ノ越サクラ
かまのこしさくら
概要
釜ノ越サクラ
かまのこしさくら
山形県
エドヒガン 一幹(樹高12.81m、目どおり5.54m、根まわり13.28m)
白鷹町に残るエドヒガンの古木の一本。白鷹町役場より西南西に約5.6km。最上川の西岸。朝日連峰葉山の麓、釜の越農村公園内にあり、すぐ脇を大鮎貝川が流れている。釜ノ越サクラは、地名からついた名称で、釜ノ越は大鮎貝沢の右岸で、「境」、「薬師堂」を結ぶ旧道沿いにある。
樹高約4mの位置で枝が三つに分かれ、さらに数m上がった位置で2から3本に枝割れしている。3本の枝の内、1本は二股に分かれた後で枯損し、残り2本の枝から分かれる各3本の枝から出る小枝に花を咲かせる。樹勢は芳しくはないが、保存会では町の支援を受け樹勢回復に取り組んでいる。
白鷹町の古典桜の里ブームのきっかけとなったのが釜ノ越サクラで、地元の人の手厚い保護を受け、毎年春には葉山連山の残雪を背に桜を咲かせる。
葉山山頂に祭られている五穀豊穣の神、葉山権現は、種蒔きの時期になると山を下り、田の神に変わる。そのとき依代となるのが満開に咲き誇るエドヒガンの桜である。人々は古くから、作神信仰の一環としてこれらの巨樹を畏敬し大切に保護してきた。
釜ノ越サクラの樹下に三個の巨石があり、かつて後三年の役(1083~1087)の際に、源義家がこの地に陣を置き、この石で竈を築き、兵糧を炊いたとの伝説がある。
平成11年頃から、道路の舗装拡張や雪の重さによる枝折れ、虫・鳥が芽を食べる等の要因が重なって樹勢が弱ってきた。そのため、活力剤による樹勢回復を行ないながら、道路の舗装の撤去、樹の周囲を柵で囲い立ち入りを禁止、同時に客土も行い、根の回りを踏み固められないよう処置するなど、樹勢回復に努力している。
山形県西置賜郡白鷹町大字高玉字安海檀4149番
山形県指定
指定年月日:20131129
記念物