久米の五枝のマツ
くめのごえだのまつ
概要
五枝のマツは、マツ科マツ属に属するリュウキュウマツの大木である。マツ属は大きく分けて、五葉松(ゴヨウマツ、ハイマツなど)と二葉松(クロマツ、アカマツなど)に分かれるが、リュウキュウマツは琉球列島に特産の二葉松であり、トカラ列島以南でアカマツに代わって広く分布している
五枝のマツは、久米島西部の丘陵地に生育しており、樹高は6・2メートルにすぎないが、根元の幹廻りは4・3メートルに達する。枝ぶりがとくに見事で、根元から大きく2つに枝分かれし、太さ50センチメートルもの枝が地面に這うように延びており、最も長い枝は10数メートルに達し、枝張りの面積は324平方メートルになる。樹勢は旺盛であり、さらに枝張りを広げる勢いである。
五枝マツは、もともと18世紀初頭に農業の神「[[土帝君]とーていくん]を祭ったときに植えられたものと伝えられており、現在も拝所として地元の信仰の対象として大切に保存されている。本樹は琉球列島の特産種であるリュウキュウマツの代表的名木であり、今回、天然記念物に指定し、いっそうの保存を図ろうとするものである。