作品MWB
さくひん MWB
概要
1930年、呉市に生まれた岡部はさまざまな技法を変遷した後、この作品のように絵の具の質感を生かした、起伏の大きな画面を生み出すようになっていった。この作品よりも数年前から、このように絵の具を盛り上げた作品を研究していた岡部だが、それまでは単色による表現の追及だった。この作品に前後して、強い色彩を組み合わせることでより力強い画面の構成を試みている。特に岡部は、この画面の大部分を占める色、プルシャンブルーを好んだ。「強く、厳しく、妥協のない」色と感じていたからだが、岡部は「プルシャンブルーの中に自己を求め、自分を見つめ、偶然にたよらず自己表現を」行おうとしたのだという。横幅2メートル60センチという巨大な画面は、この表現手法とあいまって、圧倒的な迫力を生み出している。