柳下白鶏図
りゅうかはっけいず
概要
淡彩で表された樹木の下、水辺の岩の上に、一羽の雄鶏が凛々しい姿で立っています。鶏冠や足など、質感をありありと感じさせるようなリアルな描写で、羽の一枚一枚、羽毛の一本一本までも綿密に描き込まれています。やや目を細めて遠くを見つめるような視線は、内に秘めた強さのようなものを感じさせます。背後に同系色の薔薇が配されることで、画面全体に華やかな雰囲気が加わっています。
宋紫石は、長崎で熊代熊斐、宋紫岩から中国画の新しい写実的描法(南蘋派)を学び、その江戸での普及に最も大きな影響力をもった画家です。宝暦13(1763)年京都北野天満宮に宋紫石原画の竹画碑が建立。明和元(1764)年に『宋紫石画譜』刊行。安永7(1778)年には厳島神社に《孔雀緋鸚鵡図》が奉納されました。広島藩士・岡岷山も彼に学んだと伝えられています。