鼎
てい
概要
鼎(てい)は通常平面形が円形であるが、四角い器身と四足を持つ方鼎も作られた。特に商代後期の後半から西周前期にかけての例が多い。この方鼎は西周前期のもので、腹部に大きく浮き彫り表現の饕餮文(とうてつもん)を飾っている。饕餮文の輪郭にはヒラヒラとした装飾が多くつけられていて、饕餮文がより豪華に見えるように意図されている。西周期の鼎は足が細長く、商代後期のものに比べてやや脆弱な印象を与える。足の上部にも饕餮の表現があるが、それはやや簡略化している。
坂本コレクション 中国古代青銅器. 奈良国立博物館, 2002, p.38, no.111.