岩国南条踊
いわくになんじょうおどり
概要
これは山口県岩国市に伝承されているもので、十月第二日曜日の岩国祭ほかに行われている。
天正五年から十年までの中国の役の時、吉川との攻防戦で南条(伯耄羽衣石城主)側が投降し、そのおり吉川の武士たちが南条方の人たちから教わったので南条踊と称すると伝えられている。吉川氏の移封とともに岩国に伝えられ、専ら藩士の子弟の間で踊られた。南条踊と称する踊は広島県山県郡大朝町、山口県長門市湯本にも伝承されている。
吉川家の紋所を染め抜いた幔幕の中から入端起しの太鼓、手拍子、ビンザサラの囃子につれて踊り子が一人一人出て輪を作り、太鼓を打ち、歌が始まって順回りに踊られる(踊り子は、紋付き袴で、腰に締太鼓を着ける者十人、手につくりものの唐団扇を持つ者十人、ビンザサラの者二人、手拍子一人)。「入端【いりは】」「座免喜【ざめき】」「由利【ゆり】踊」「芋踏」「引揚」の六部で構成され、質朴ながら勇壮活発な踊である。
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