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花園遺跡

はなぞのいせき

概要

花園遺跡

はなぞのいせき

史跡 / 中国・四国 / 広島県

広島県

三次市十日市町

指定年月日:19780127
管理団体名:

史跡名勝天然記念物

S52-12-041花園遺跡.txt: 三次盆地の南縁には、低い丘陵地形が発達しているが、その一支丘がJR三次駅へ向かい北にのびている。通称花園丘陵と呼ばれているこの丘陵上を調査したところ、方形貼石の台状の墓域をはじめ、方形周溝墓を中心とする弥生時代中期から後期に至る墳墓群が発見された。
 第1号の台状墓域は、この花園丘陵の最高所を占め、東西32メートル、南北18メートルを測る。北辺は傾斜面を作り、石材を1.3メートルほどの高さに積み貼り、台状墓域の正面観を整えている。また東西両側辺は、同様に貼石がみられるが、ややまばらな手法で、南辺は幅1〜2メートル、深さ0.2メートルの溝が設けられている。この台状の墓域の内部には土壙40、石囲い土壙23、石棺23、計86が集中している。土壙は、台状の墓域の中央部に2、3基が対をなすかのように配置されている。石囲い土壙は南部に多く、石棺は台状の墓域の北部に多く見られる。なお、石棺には極めて小規模なものがかなり存在し、注目されている。
 第2号の台状墓域は、第1号台状墓域の北西に接し、わずかに軸をずらして営まれているが、東西は15メートル、南北9メートルを測る長方形の平面を呈し、第1号墓と同様北辺に正面を作り出し、斜面に貼石し、両側辺に貼石するとともに、南辺は石を連ねて明確に台状の墓域を作り出し、その内部に土壙5、石棺1、計6が営まれている。
 第3号の台状墓域は、第1号の北、第2号の東に接してみられる。その範囲を区画する溝などを持たないので広さは不明であるが、土壙2、石囲い土壙9、石棺4が発見されている。
 以上の3遺構とは別に、その北に、軸を大きく変えて営まれた方形周溝墓状の3遺構が見られ、それぞれ多くの埋葬施設をそなえている。
 これらの墳墓は、いずれも弥生時代中期から後期に至る極めて短い期間のものであり、貼石をもつ台状墓域群と、方形周溝墓群の二者が見事な対照を示す事実、貼石をもつ台状墓域といった特異な遺構、多数の各種の埋葬施設がみられるなど、特に注目される。

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キーワード

/ 埋葬 / 弥生 / 遺跡

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