石手寺二王門
いしてじにおうもん
概要
石手寺二王門 一棟
石手寺は神亀五年(七二八)越智玉純が聖武天皇の勅によって創建し、もと安養寺と称したが、寛平四年(八九二)石手寺と改めたと伝える。二王門は天平五年(七三三)の創建といい、現在の門は文保二年(一三一八)に河野通継が再建し、以後寛文、延宝年間(一六六一~八一)に修理があり今日に至っている。三間一戸の楼門で、腰屋根はなく、上重には廻縁をめぐらし、高欄を設けている。組物は上が三手先で、中備として下に蟇股、上に間斗束を入れている。この建築は木割の制がよく整い、外観のつりあいもよく、また細部の手法も優秀であり、ことに蟇股の形態及び内部の彫刻は美しい。現存鎌倉時代楼門中の傑作といえる。
【引用文献】
『国宝辞典(四)』(便利堂 二〇一九年)