神谷神社本殿
かんだにじんじゃほんでん
概要
神谷神社本殿 一棟
神谷神社は弘仁三年(八一二)空海の叔父阿刀大足の勧請または再興と伝えているが、詳しいことは分からない。しかし延喜式にも記されている古社である。本殿は化粧棟木下端の墨書により、建保七年(一二一九)の建立になることが明らかであり、以後天文九年(一五四〇)、永禄十一年(一五六八)、万治三年(一六六〇)、宝暦九年(一七五九)に修理のあったことが棟札によって知られる。
三間社流造で、身舎は円柱、舟肘木、妻飾扠首組で正面中央間を板扉とするほか、左側側面にも扉構をつけて出入口にしている。向拝は方柱、三斗組で、すべて面取りとなっている。現存三間社流造としては最古の例であり、材料の保存もよい。
【引用文献】
『国宝辞典(四)』(便利堂 二〇一九年)