はやし田
はやしだ
概要
この芸能は、広島県高田郡高宮町原田に伝承されるもので、田植時期の六月十日前後に行なわれる。サンバイ様(田の神)を田に迎えて、部落共同で行なう田植のとき、多くの田植歌や囃子を奏して演じるもので、別に花田植などとも呼ばれる。
まず田植に先だって早乙女の田踊、牛馬の代掻などがあって、次いで歌大工(サンバイとも)の音頭にあわせて太鼓、笛、鉦などを囃し、多数の早乙女が歌大工と田植歌を問答風に掛け合わせてうたいつつ、苗を植え進む。
この田植歌は種類が豊富で、田植作業の時刻が移るにつれ朝歌・昼歌・晩歌がうたわれ、その歌詞は田植に関するもののほか、往時の流行歌なども存分にとりこまれており、芸能史のみならず国文学史上も高い価値をもっている。また、その歌唱法は地方的に特色あるもので、特にその旋律は、他の同類型の芸能とくらべて、複雑に美しく仕立てあげられている。
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