東海道五拾三次之内 31 舞坂《今切真景》
とうかいどうごじゅうさんつぎのうち 31 まいさか いまぎれしんけい
概要
その昔、浜名湖は遠州灘とは砂州で隔てられた湖だったが、明応7年(1498)の大地震以来、浜名湖と海を隔てていた砂州が決壊し、海につながる汽水湖となった。この砂州が決壊した部分を「今切れた」という意味で「今切」(いまぎれ)と呼ばれるようになり、今切の渡しと呼ばれた渡し船が行き交うようになった。画面手前の並んだ杭は波除杭(なみよけくい)で遠州灘の荒波から渡し船を守るために幕府が築いたもの。その「今切」越しに遠州灘を見渡す本図では、浅瀬で漁をする漁夫たちが描かれている。右手手前に帆だけが描かれた帆船もと真白い富士との対比も斬新。正面の山々は実景に存在しないようだ。なのに「今切真景」とはこれいかに。
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