東海道五拾三次之内 蒲原 夜之雪
とうかいどうごじゅうさんつぎのうち かんばら よるのゆき
概要
広重は天保3年(1832) に幕府が毎年8月朔日に行う朝廷への御馬献上の一行に加わり、東海道を江戸から京まで旅をした。その時に見た風景や各宿の印象をもとに発行したのがこの「東海道五拾三次」といわれている。保永堂という版元から出されていることから保永堂版東海道とも呼ばれる。旅に関わる風物、人物を自然の景観のなかに叙情豊かに描き、広重の出世作となった。また、西洋の遠近画法を修め深い空間表現を創出した北斎の「冨嶽三十六景」と並んで、浮世絵界に風景表現という新しい風を送り込んだ金字塔的作品ともいわれている。(『廣重 東海道五拾三次』静岡県立美術館)