青磁鳳凰耳花生〈銘万声/〉
せいじほうおうみみはないけ〈めいばんせい〉
概要
南宋時代浙江省竜泉窯で焼成され、舶載された作とみられる。
室町時代にはすでに名器として珍重されたことがうかがえ、三代将軍家光の時、東福門院に贈られ、のちに公弁法親王に遺贈された。万声とは後西院が「𢭏月千声又万声」の詩句によって名付けられたもので、近衛家に伝わった鳳凰耳花生を「千声」、これを「万声」としたものとの伝来が添状および『槐記』にある。
鳳凰耳花生のなかでも、とりわけ作調が丁寧で、堂々とした風格を備えた優品である。