金襴手下蕪花生
きんらんでしもかぶらはないけ
概要
金襴手下蕪花生
きんらんでしもかぶらはないけ
東京都
明
素地は堅緻な白磁質で、これにわずかに青味を帯びた透明性の白釉がかかっている。頸の長い、胴が丸く張った下蕪形の花生で、底に広く低い高台を設ける。全面に赤を主色とし、これに緑、青、黄、黒、金を用いて細密な色絵文様を描いている。頸上部は赤地に白く牡丹唐草を抜き、頸中程は白地に青、緑、赤で雨龍、霊芝、唐草を描き、頸の付け根は赤地に牡丹唐草文を金彩で表す。肩には青に黒で縁取った連弁文帯をめぐらし、胴は二方に花菱形の窓をとり、その中を赤く塗って牡丹から草文を金彩で表し、その左右に「寿」の字を緑で赤円文の中に興、その上下に花文を配し、地は赤の亀甲繋文で埋める。裾には緑地に赤の連弁文をめぐらし、高台は赤無地、底は白無地で銘がない。
高29.0 胴径17.7 (㎝)
1口
東京都港区南青山6-5-1
重文指定年月日:19550622
国宝指定年月日:
登録年月日:
公益財団法人根津美術館
国宝・重要文化財(美術品)
金襴手は中国色絵磁器のうちでも豪華絢爛なもので、古来特に珍重されている。特に、下蕪形の花生は類例が少ない。花菱形の窓に配された牡丹唐草が紅を背景に美しく浮かび上がる。華麗で気品のある金襴手の優品。