宮歌村文書
みやうたむらもんじょ
概要
・宮歌村は、江戸で幕府の旗本となっていた松前八左衛門家の領地でした。ここでは、松前在住ではなく、江戸在住の松前家の領地であるという、江戸時代の北海道にあっては、特別な条件の下で村の運営が行われており、そのことにともなう近隣村との境界等の問題が大変特徴的なものとなっています。
・文書には、村が毎年江戸まで奉公人を出したり、荷物を届けたり、日常的に松前在住の藩主、家臣側との関係を適切に保つなど、複雑な行政事務を行っていたことなどが記載されています。
・その中でも、松前在住家臣領の村との境界論争処理の仕方、上ヨイチ場所との関係などは貴重な記録です。
・また、貧窮者の記録である極難之者調子書上帳下書(ごくなんのものちょうしかきあげちょうしたがき)や今日の戸籍簿に似たものである宗門改書上(しゅうもんあらためかきあげ)(天保13年(1842)と安政2年(1855)の2冊)は、当時の村の人々の生活の様子や家族構成を良く示す資料として重要です。