白滝の流紋岩球顆
しらたきのりゅうもんがんきゅうか
概要
・湧別川上流の左股沢沿い約100メートルにわたって露出している流紋岩球顆は、本来、流紋岩質黒曜岩中に晶出した球顆が、その岩体の下層に集積して、大型の球顆のみで厚層を形成したもので、その最上部の黒曜岩は標高1147メートルのほぼ平坦な尾根を形成しています。
・この部分の球顆は最大径15センチメートル、平均5センチメートルの球状で、その断面は同心円構造を示しています。おそらく黒曜岩熔融体の下層ほど岩体の冷却は遅く、多数の大型の球顆を晶出し、また上層に発育した球顆は次第に沈降し、その途中も成長を続け大型になって下部に集積したものと考えられます。
・流紋岩体中の球顆構造はわが国の他の地域にもしばしば見られますが、この岩のように大型の球顆だけが集合したすばらしい例は少ないものです。