中頓別鍾乳洞
なかとんべつしょうにゅうどう
概要
・この鍾乳洞は昭和8年(1933)に発見され昭和13年12月に文部大臣より天然記念物に指定され、その後、改正(昭和32年)により現在北海道天然記念物になっています。
・北海道で最初に発見された鍾乳洞で、新生代第三紀(約2300万年~160万年前)の帆立貝やホッキ貝の仲間からなる貝殻石灰岩の中にできています。このような新しい地質年代の貝殻石灰岩の中にできた鍾乳洞は、日本では非常に珍しく学術上極めて貴重です。
・地質が貝殻石灰岩層でできているので、鍾乳洞のでき始めは貝殻の水による溶解に始まり、洞穴の成長にしたがって多分に水の浸食を受け、急速に発展したものと思われます。
・一般の石灰岩に比べて貝殻石灰岩は非常に軟弱であるため、時代の新しいわりに洞穴が大きいようです。
・洞穴が地表に近く、洞穴のある地表にすりばち状のくぼ地(ドリーネ)が各所に存在し、降地下水の通路となり一気に洞内に流れ込む結果になったものと思われます。
・洞内の状況は、立体的に三層の洞穴よりなり、東西方向に伸びる主洞と、それより直角方向に上下している最も新しい支洞と、その中間的な位置に両者と一段上下になっている支洞の三層になっています。
・鍾乳洞の前には軍艦岩があります。軍艦岩は小さな貝類が海底で密集して堆積岩となり、地殻変動によって隆起し一大石灰岩をつくりあげたものです。
・この軍艦岩のまわりは、6月下旬には芝さくらが一面に咲き、素晴らしい景観となります。