素弁八葉蓮華文軒丸瓦(伝奈良県横井廃寺出土)
そべんはちようれんげもんのきまるがわら(でんならけんよこいはいじしゅつど)
概要
横井廃寺出土の軒丸瓦は、飛鳥時代の瓦のうち百済(くだら)式に属するもので、花弁の先端が三角状を呈し、弁間の界線も直線的で、硬直な蓮花文(れんげもん)が表されている。飛鳥時代の軒丸瓦は素弁の蓮花文を飾り、その中房は小さく、周縁は素縁を巡らすのを特徴とし、百済系と高句麗(こうくり)系の2種類がある。本例は7世紀の前半でも百済式の形式化の進んだものである。
奈良国立博物館の名宝─一世紀の軌跡. 奈良国立博物館, 1997, p.280, no.13-1.