北信濃の柱松行事
きたしなののはしらまつぎょうじ
概要
この行事は、大きな柱の先端に御幣や榊を付け、それへの点火を競う行事で、現在、飯山市小菅や木島平村内山・南鴨などで行われている。
小菅の例をみると、行事前日、松神子と称する2人の10歳未満の男児による禊ぎの水垢離と奥社参りが行われ、その夜、獅子舞や猿田彦による注連切りも行われる。祭り当日、里宮での神事などが終わると、松神子や松子役の若衆が講堂前広場に集合する。そして松太鼓役の打つ太鼓に合わせて、松子役が松神子を抱えて柱松に登って点火の早さを競う。点火すると松子役は松神子を下ろして十王堂の休石まで背負って走る。この競争では、上が勝てば天下泰平、下が勝てば五穀豊穣とされる。燃え上がった柱松は倒され、虫除けの呪いに参加者が競って持ち去る。
この行事は、祇園祭などの祭礼行事の中で伝承される柱松行事として独特のもので、構成内容も地域的特色が豊かであることから、我が国の民間信仰や年中行事を考えるうえで注目される。(※解説は選択当時のものをもとにしています)
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国指定文化財等データベース(文化庁)