輪島塗
わじまぬり
概要
輪島塗は、輪島特産の地【じ】の粉【こ】を用い、漆塗りのみでも三十工程に及ぶ入念な作業により、堅牢で漆独自の色彩光沢を発揮した美しい漆器を製作する技術として高く評価されている。文明八年(一四七六)の輪島市内の重蔵権現講堂の棟札に塗師の名が列記されていることから、当時すでに輪島の漆工業が発展していたことが知られる。輪島における漆器生産の拡大は、次第に生産体制を分業化におしすすめ、江戸時代にすでに六職に分れていた。現在、輪島塗の技術者は、木地部門で椀木地【わんきじ】・曲物【まげもの】・指物【さしもの】・朴木地【ほおきじ】の四職に、髪漆【きゆうしつ】部門で塗師【ぬし】・蠟色【ろいろ】の二職、加飾部門では沈金【ちんきん】・蒔絵【まきえ】の二職、計八職に分業している。
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