岩屋寺大師堂
いわやじだいしどう
概要
岩屋寺は,四国霊場第四十五番の札所として知られ,本堂の南側に建つ大師堂は,大蔵省臨時議院建築局技手であった河口庄一が設計監督し,大工は窪田文治郎らで,大正9年11月に竣工した。
大師堂は,宝形造,銅板葺である。向拝柱は,角柱を二本組とし,柱身にエンタシスを付け,柱頭部にバラと組紐飾り状の装飾を付ける。また,内部の円柱頭部では挿肘木を輪で繋ぐ構成とするなど,独特の意匠で要所を装飾している。
岩屋寺大師堂は,伝統的な寺院建築の構成を基調とするが,軸部の構成や細部意匠に西洋建築の手法を採り入れながら,破綻無くまとめあげており,我が国近代の建築意匠史上,高い価値が認められる。