大角家住宅(滋賀県栗太郡栗東町) 正門
おおすみけじゅうたく せいもん
概要
大角家住宅は、旧東海道の草津宿と石部宿に所在する、薬種業を営んだ商家である。街道に北面して店舗を構え、その東脇には本陣座敷(書院)を設け、背後には庭園を造る。また、街道をはさんだ向かい側に隠居所を配する。
店舗は細い通りニワを置いて左右に分け、左側は三〇畳大の広大な東ミセ、右側は板敷の西ミセとし、製薬機械を設置する。小庇の持送りや腕木鼻等に繰形彫刻を施し、豪壮華麗に仕上げる。本陣座敷は、店舗横の正門とその奥の玄関式台、小座敷、次の間、上段の間の四部屋からなる。
隠居所は、本屋が本陣に利用されている間、家族の住居にあてられたといわれる臨時の建物であるにもかかわらず、玄関回りを本屋に準じたつくりとする。
大角家住宅は、街道筋の商家としては最も古く、また最も規模の大きな家で、附属屋もそのまま残り、また保存されている石臼や製薬機械など各種の製薬用具も文化史上貴重である。