木造五百羅漢像
もくぞうごひゃくらかんぞう
概要
・五百羅漢像を安置している宗圓寺は、寛永7年(1630)に松前藩主7代公廣の追善供養のため福山に建立されましたが、明治42年(1909)に船で羅漢像や建物の部材とともに小樽へ移設されたものです。
・この五百羅漢像は、14代章廣が供養のため南部藩主に依頼し、文政8年(1825)盛岡より勧請(霊を分けること)して宗圓寺に納めたといわれています。
・これらの像は、昭和37年(1962)京都美術院国宝修理所の調査により、室町~桃山時代の作と思われるものが11体、江戸中期のもの236体、江戸末期のもの268体という調査結果が報告されています。江戸中期のものに製作者銘「暉常」が墨書されている像が15体あります。
・この「暉常」は、最近の調査で松前に居住した能面師であったことがわかりました。また、制作年代についても墨書があり、「天明8年、天明9年」(1788、1789)の作であることがわかっています。
・このように、羅漢像の大半が江戸中期から末期のものであり、製作者についても一様ではないことから、かえって江戸期におけるこの種の彫刻技術を検討するうえで貴重な資料となっています。
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北海道(地方指定文化財)