元徳二年七夕御会和歌懐紙(二十四通)
げんとくにねんたなばたごかいわかかいし
概要
元徳二年(一三三〇)、後醍醐天皇が内裏で催した七夕御会の和歌三首懐紙で、二十四紙をまとめて存している。
懐紙はいずれも前項「正中二年七夕御会和歌懐紙」と同様、厚手良質の楮紙で、各紙の寸法は縦三七~四一センチメートル、横五九~七〇センチメートルで、二十四紙を重ねて左端を紙撚で綴じている。各懐紙の端作りは「七夕侍宴同詠三首應製和歌」と二行書に掲げ、次いで官職姓名を一行に記し、その下に「上」の字を加えている。歌題は「七夕風」「七夕橋」「七夕衣」の三題で、詠歌はそれぞれ二行七字に書している。各懐紙の筆者は、陸奥出羽按擦使洞院公敏、権大納言三条実忠、権大納言西園寺公宗ら二十四人で、富小路公脩、御子左為定、御子左為親、洞院公敏、九条隆朝の詠歌が『新千載和歌集』『藤葉和歌集』『臨永和歌集』に収められている。前項と同様、鎌倉時代の宮中御会の和歌懐紙のまとまった遺品として貴重である。
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