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小丹波村

概要

小丹波村

絵画 / 油彩画 / 明治 / 日本

浅井忠  (1856-1907)

あさいちゅう

1893(明治26)年

油彩・キャンバス(パネル貼り)

27.0×39.0

額装

 風景画を数多く残している浅井忠は、若い頃からたびたび各地へ取材旅行に出かけているが、この武蔵国小丹波村(現在の東京都西多摩郡奥多摩町)をはじめとする八王子・奥多摩方面へは、よほど気に入ったのか、数度となく訪れている。この作品は、浅井忠数え年38歳、充実した時期の作で、25歳の安子との結婚直後の写生でもある。
 民家の屋根の勾配とそれに呼応する山の稜線は、浅井の緻密な計算のうえに配置されており、画面に躍動感と安定感をもたらしている。そして、柔らかく短い線を交差させながら明暗の調子をととのえ、あわせて立体感を表現するこの筆法は、工部美術学校時代の師であったフォンタネージの教えが忠実に守られている。
 点景人物を加えることによって画面にアクセントをつける方法もフォンタネージからの教えであるが、浅井の描く風景画中の人物をみると、そこで生活している彼らに対する愛情がひしひしと伝わってくる。(田中善明)

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キーワード

浅井 / / フォンタネージ / 洋画

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