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田中館博士の肖像

概要

田中館博士の肖像

油彩画

中村彝  (1887-1924)

ナカムラ、ツネ

大正5年/1916

油彩・キャンバス・額・1面

73.0×61.0

左下に署名、年記

10回文展 竹之台陳列館 1916

44
中村彝(1887−1924)
NAKAMURA,Tsune
田中館博士の肖像
Portrait of Dr. Tanakadate
1916(大正5)
田中館美稲氏寄贈

新宿中村屋の相馬愛蔵・黒光夫妻を中心に中原悌二郎や柳敬助らと過ごした所謂「中村屋時代」が夫妻の娘俊子を巡る激しい葛藤に終わり、下落合へアトリ工を移したのが大正5年。同年の第10回文展で特選第一席となった作品である。航空工学の権威であった田中館愛橘博士の肖像を頼まれた彝は、ガウン姿の博士が自宅の一室で研究に耽る様子を描いた。柔らかな室内の光につつまれた画面はルノワールの筆触と色彩の暖かみを感じさせ、博士の息づかいやぬくもりが伝わってくるようである。丁寧に筆を重ね、豊かな感触と奥行きを生み出している。

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