著到懐紙(五月雨晴)(中ニ後柏原・後奈良天皇ノ宸翰アリ)
チャクトウカイシ(サミダレハレ)(ナカニゴカシワバラ・ゴナラテンノウノシンカンアリ)
概要
着到懐紙(着到和歌懐紙)とは、あらかじめ決められた日数と人数に則り、毎日一定数の歌題を詠んだ歌会の懐紙をいう。百日にわたって百首を詠む例が多い。 「五月雨晴」の歌題のこの懐紙には、後柏原天皇、知仁親王(のちの後奈良天皇)が詠んだ歌も見えている。 署名のない「見もなれぬ 日影を吠る 犬もあれや 五月をくらす 雨のはれ間は」の一首が後柏原天皇の歌。また、冒頭の「さみたれの」の一首の作者である「公條」とは、三条西実隆の子の三条西公條のこと。