白地小花文様更紗間着
しろじこばなもんようさらさあいぎ
概要
白地小花文様更紗間着
しろじこばなもんようさらさあいぎ
布地:ヨーロッパ・19世紀 仕立:日本・19世紀
表地:(1)木綿単糸平織 媒染模様染め(木版) (2)木綿単糸平織 媒染模様染め(木版) (3)木綿単糸平織 媒染模様染め(木版) 裏地:(上部)紺平絹 人絹か (下部)紫木綿単糸平織 衿:黒人絹か
丈144.5 裄65.0
1領
西洋更紗で仕立てられた間着。本作に使用されている更紗は、ヨーロッパでインド更紗を模して作られたと考えらえる木版更紗である。同じ更紗は、当館所蔵「端物切本帳」文政6年(I230-6)、文政11年(I230-9)にも確認でき、日本に舶載された時期がわかる貴重な作例である。
19世紀以降、日本に輸入された更紗の主流はインド更紗からヨーロッパのプリント更紗へと移行する。西洋更紗はインド更紗と同様、さまざまな用途に使用されるようになった。本品は、西洋更紗の中でも、インド更紗を模倣して始まった木版を用いた茜の媒染模様染めの更紗である。しかし、日本人にとっては、それまで知っていたインド更紗とも異なる珍しい更紗として受け入れられ、以後、さらに珍しい銅版ローラープリントを用いた緻密な模様や鮮やかな多色染めのヨーロッパ更紗に魅了されていった。