漆塗台付灯
うるしぬりだいつきとう
概要
木胎漆塗りで部分的に青銅製金具を嵌めこんだ台座、および青銅製の灯盞からなる。両者のあいだに木製の四角い支柱を挿しこみ、組み立てる。支柱は土中で欠失しており、現有のものは出土後に製作した模型である。台座は端部、および胴部の中位に箍状の青銅製金具を、頂部には四葉形の青銅製金具をそれぞれ嵌めこむ。灯盞はシャーレのような形状で、器腹が浅く、円形の底部から器壁が垂直に立つ。中央に小さな円孔が空く。
中国では戦国時代(前5~前3世紀)に本格的な青銅製の灯(灯油と灯芯を使用する灯火器)が出現し、つづく漢時代(紀元前3~3世紀)に柄付きで手持ちが可能な行灯が作られ、台付の灯とともに盛行した。台座が漆塗りの灯は当時の高級品であり、もとより数も少なかったであろう。漢時代の高級官吏や有力者たちもこれを競って求めたことは想像に難くない。