王母献寿図
おうぼけんじゅず
概要
王母献寿図
おうぼけんじゅず
熊斐筆 (1712-1773)
ゆうひ
江戸時代/18世紀中期
紙本著色
133.5×63.1
1幅
落款:「王母獻壽圖/淇瞻熊斐謹寫」
印章:「熊斐印」(白文方印)「淇瞻氏」(朱文方印)「興到筆隨」(遊印、白文長方印)
来歴:2002神戸市立博物館
参考文献:
・國立故宮博物院特別展『交融之美 神戸市立博物館精品展』図録 2019
・神戸市立博物館・長崎歴史文化博物館特別展『我が名は鶴亭』図録 2016
・九州国立博物館『トピック展示 視覚×革命 異国と出会った江戸絵画―神戸市立博物館名品展―』図録 2013
・神戸市立博物館特別展『コレクションの精華』図録 2008
・神戸市立博物館特別展『花と鳥たちのパラダイス』図録 1993
大幅に描かれた巨大な桃―その大きさに誰もが圧倒されることでしょう。「王母献寿図」の題から、中国西方の崑崙山に住む西王母が後漢の武帝に献上した桃の実(三千年に一度だけ実がなる不老不死の桃)を描いたとわかります。緩やかに屈曲する太い枝、たわわと実る巨大な桃のリズムがたいへん心地よいです。完熟した桃の実の淡い色と柔らかな質感、反り返る葉の硬い質感を巧みに描き出しています。一番下の実に付く葉は、羽を広げる蝙蝠(「蝠(fú)」=「福(fú)」で吉祥モチーフ)のイメージが重ねられているのでしょう。吉祥の想いが込められた熊斐の大作です。
【長崎ゆかりの近世絵画】