三日月藩乃井野陣屋表門
みかづきはんのいのじんやおもてもん
概要
三日月藩は、元禄10年(1697)の津山藩森家の改易に伴い、森長俊が15000石で乃井野に陣屋を構えたもので、明治4年までの175年間、9代にわたり続いた。
表門は、三日月藩の大手門にあたり、武家町である郭内に5ヶ所存在した門の中核をなすものである。建築年代は鬼瓦の刻銘および藩日記から、安永3年(1774)と考えられ、現存する『播州三日月城市図』(江戸時代中期)と『旧三日月藩郭内之図』(明治時代初期)の絵図の比較から、このとき現表門への建替え及び位置変更があり、前面の桝形にも改変が加えられた可能性が高い。
明治9年(1875)、表門を含む陣屋の土地建物の多くが払下げられており、西法寺(現・たつの市新宮町鍛冶屋)の山門として移築されたと考えられる。平成28年に町へ寄附を受け、平成29年度に表門の原位置付近へ移築復原した。