等善寺 木造如意輪観音坐像
とうぜんじ もくぞうにょいりんかんのんざぞう
概要
等善寺 木造如意輪観音坐像
とうぜんじ もくぞうにょいりんかんのんざぞう
愛媛県
室町時代/1350~1375年
[形状]
高髻(髪は疎ら彫り)を結う。地髪は毛筋彫りする。鬢髪は二条が耳前に垂れ、うち一条は耳半ばを渡る。また両のこめかみ上辺で髪筋が天冠台にからむ。天冠台は無文。白毫(水晶製)を嵌入する。耳朶は貫通させる。三道を表す。
条帛を左肩から懸け、その一方の末端を正面中央で下から上に回して挟み込む。両肩から懸けた天衣は背中を広く覆い、両腋に垂下する。裙(折り返し付き)を着け、股間に腰帯の結び目を表す。さらに腰布を着ける。
左第一手は体側で肘を張って屈臂し、第二指を立て、他指を曲げる。左第二手は垂下し、台座を抑える。左第三手は屈臂して前方に伸ばし、第一・三・四指を相捻じ、他指を立てる。右第一手は肘を右膝に着けつつ手先を頬に沿わせ、全指をゆるく曲げ、第二指先で軽く頬に触れる。左第二手は屈臂して前方に出し、仰掌、全指をゆるく曲げ、蓮台上の宝珠(手首先と共木)を執る。右第三手は体側に垂下、ゆるく肘を屈し、全指を曲げる。
左脚を横たえ、右膝は立て、両足裏を合わせて坐す。
玉眼は、黒目を墨で塗り、これを朱でくくり、目頭・目尻に群青を注す。
[品質・構造]
像底に板が貼られ、また像表面の漆箔が分厚く、体部の構造は不明だが、頭・体通して幹部はヒノキの縦一材から造るか。
頭部で見ると、木心を左後方に外した一材から彫成しており、左耳痕、右耳半ばを通る線で前後に割り矧ぎ、内刳を施す。玉眼を嵌入。割首するか。両脚部は裳先を含めて横一材から造るか。腕の矧ぎについては不詳だが、各、別材製か。宝髻は別材製で、竹釘挿し。
[法量]:(単位:㎝)
像高:33.9 髪際高:24.5 頂-顎:15.8 面長:6.3 面幅:6.4 面奥(鼻先欠損):7.6 耳張:7.3 胸奥(左):8.2 同 (右):8.0 腹奥(着衣含む):9.9 肘張(第一手):26.3 膝張:23.4 坐奥:18.4 膝高(左):14.4 同(右):4.9
一躯
北宇和郡鬼北町大字東仲714番地
鬼北町指定
指定年月日:20180123
東仲地区
有形文化財(美術工芸品)
鬼北町東仲に所在する等善寺本尊として伝わる。