一国斎高盛絵
いっこくさいたかもりえ
概要
一国斎高盛絵とは,「堆彩漆」と呼ばれる極めて類例の少ない独特の漆芸技法である。鎌倉時代から行われている高蒔絵の錆上げの技法をベースにして,歴代の一国斎が漆絵や堆朱・堆黒などの様々な技法を付加していき,三代一国斎が完成した。
歴代一国斎の作品には,茶器,文箱,硯箱,香箱,菓子器,飾盆などがある。これに,ボタン,ユリ,モミジ,カキツバタ,ウリ,アシナガバチ,トンボ,ハチなどの植物や昆虫を高く盛り上げて描き出す。中でもアシナガバチを草木花に配するのが一国斎の特色である。七代の昭人氏は,高盛絵のみならず,彫漆・切金などの技法を加えた作品も製作している。