針山の天王ザクラ
はりやまのてんのうざくら
概要
針山の天王ザクラ
はりやまのてんのうざくら
群馬県
針山の天王ザクラは,片品村大字針山の集落の西に位置するオオヤマザクラである。オ
オヤマザクラは,主として北海道から本州中部の山野に自生し,県内では,広く全域に分
布するヤマザクラに対し,県北部を中心に標高の高い地域に生育する。花は一般的にヤマ
ザクラよりも大きく,色も紅色が強い。
本樹木は,開花も美しいことに加え,古くから田植え時期の目安等として利用されてい
たとの伝承もあることから,集落の生活に密着し,育てられてきたものと考えられる。
この樹木の根元には天王様と呼ばれている石造りの小さな祠があることから,地元では
「天王桜」と親しみと畏敬を込めて呼ばれている。祠には「文化十五年□□ 五月吉日 千
明勇右ェ門」と刻まれている。樹齢は,祠の建立当時には信仰の対象となるような大木で
あったと思われることからも,地域の伝承と同様に300年程度を十分に推定できる。
代々の所有者等による手入れが行き届いており,大木でありながら若々しく樹勢は旺盛
である。
群馬県利根郡片品村大字針山乙47
群馬県指定
指定年月日:20110920
記念物