伊予国今治城図
いよのくにいまばりじょうず
概要
今治城を周辺部分も含めて描いた絵図。城郭、侍屋敷、城下町、堀、川、周辺村落の位置関係を大づかみに示している。城郭部分の描写は粗く、本丸、二の丸の形状が実際に異なり、少し折れ曲がった形に描かれているが、位置関係は正確に捉えている。黒四角で図示されている櫓の位置もほぼ正確である。外堀の北西側には朱書で碁盤の目状に城下町を描く。周辺部分には、蒼社川、浅川が描かれている。今治城に関する絵図は、寛永4年の「幕府隠密今治城見取図」(幕府隠密図)をはじめ、正保年間(1644〜48)作成の正保城絵図の写し、貞享2(1685)年と享保9(1724)年に城の修理のために幕府に提出した絵図、安永8(1779)年の屋敷割を示した絵図などが知られるが、本絵図はそのいずれとも内容が異なる。