英名録〈葛西家文書〉
えいめいろく
概要
「英名録」は、伊予宇和島藩士の葛西辰三が諸国を剣術修行した際の記録で、修行先の藩名・道場名・流派名・師匠名・門人名が書き留められている。嘉永7(1854)年から文久元(1861)年にかけて、辰蔵は4回にわたり長期の剣術修行に出かけ、九州・四国・山陽道筋・東海道筋・関東の30を超える諸藩道場を巡り、2000人以上の名前を記録している。「英名録」には、長州藩の新陰流内藤作兵衛の門人として高杉晋作の名前が見出せる。辰三が長州藩の藩校明倫館の演武場で内藤一門と試合したのは安政3(1856)年4月21日。晋作が吉田松陰の松下村塾に入る1年前の18歳の時で、剣術修行に余念がなかった時期に当たる。
なお、宇和島藩士の葛西家文書については、愛媛県歴史文化博物館資料目録第7集『武家文書目録』に概要や目録が収録されている。
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愛媛県歴史文化博物館