黒地流水三巴模様長袴
くろじりゅうすいみつどもえもようながばかま
概要
ほぼ同じ柄の長裃として肩衣(KS18)と長袴と共に伝わっていたが、地色が異なり、元は別々に製作されたものの長袴である。胸と背に薺紋があるが、これも長袴の腰板とはわずかに異なっている。
紺地に「光琳水」と呼ばれる流水模様が表される。尾形光琳(1658~1716)の名からつけられた模様名で、本阿弥光悦・俵屋宗達を祖とし、光琳が大成した独特の画風に倣った模様表現で、光琳没後に流行した。特にこの「光琳水」では、渦を「三巴紋」のように大きく表したところに製作者の独創性がみられる。