北斗遺跡
ほくといせき
概要
釧路市街地の北西約7キロメートル、釧路湿原に臨む段丘上に所在する。
昭和27年、簡易軌道敷設に伴う土取り工事によって発見され、昭和45年には釧路市教育委員会が分布調査を実施し、地表面の落ち込みの観察される竪穴住居跡386が発見された。
その後、昭和47・48年、遺跡の地形測量と1部の試掘調査によって、長さ2.5キロメートルの範囲に、9地点にわたる遺構密集地点の存在が確認された。それらは、先縄文時代最終段階に属する細石刃文化から、縄文時代早期の東釧路下層様式、前期の綱文土器様式、中期の北筒様式、後期末から晩期初頭の土器、続縄文土器及び擦文式土器の時期などいろいろな時代の遺構遺物がある。とくに第一地点では、前期の貝塚の形成が認められる。また、これまで時期的な変遷が不明瞭であった北筒様式の土器群が層位的に発見され、第1段階から第5段階にいたる内容がはじめて明らかにされるにいたった。さらに、近世アイヌの遺物の発見がある。
以上、各期にわたる豊富な遺構・遺物を擁する本遺跡は、釧路湿原をとりまく丘陵上の遺跡群のなかで中核的な性格をもつものとして重要である。