能面(父尉 翁 三番叟) 附 関係古文書四点、同収納箱二合
のうめん(ちちのじょう おきな さんばそう) つけたり かんけいこもんじょよんてん、どうしゅうのうばこにごう
概要
能面(父尉 翁 三番叟) 附 関係古文書四点、同収納箱二合
のうめん(ちちのじょう おきな さんばそう) つけたり かんけいこもんじょよんてん、どうしゅうのうばこにごう
大阪府
室町
能が成立する以前の猿楽の様式をとどめる翁舞の「式三番」に用いられた父尉、翁、三番叟の三老翁の面である。各能面は一材から彫り出した整いのある造形で、力強く皺を刻んで老相を表している。翁面の特徴である口の両端から下顎を切り離した切り顎になっており、両目はくりぬきでこめかみの左右に面紐用の孔が開けられている。面表に彩色を施し、鬢(びん)や口髭を墨描し、面裏は漆塗りである。「三番叟」の面裏の額部に記された花押は、戦国期の特徴が認められることから、室町時代(15~16世紀)に制作されたと考えられ、また他の二面も、同様の作風であることから同じ時期の作品とみられる。附の古文書は、「カクトウノチョ(楽頭帳)」(1冊:天文十二年(1543)9月24日)と「神事長」(1冊:天正六年(1578)10月吉日)は、室町時代末期の猿楽座が大和を中心とした演能の場所等の記録で、「恩智村甚兵衛翁米代銀手形」(2通:江戸時代)は、恩智村甚兵衛が翁舞の報酬を払うための手形である。収納箱は、いずれも江戸時代の作で、花菱入り七宝繋文の片身替りに三階菱紋と芭蕉の図柄を描いた金銀蒔絵の木製黒漆箱(内箱)と黒漆塗箱(外箱)である。
能面(父尉:縦17.2㎝、横14.3㎝・翁:縦20.0㎝、横16.7㎝・三番叟:縦17.4㎝、横14.2㎝)古文書①カクトウノチョ 縦13.2㎝、横40.0㎝②神事長 縦25.4㎝、横16.0㎝③恩智村甚兵衛翁米代銀手形 縦23.8㎝、横32.2㎝④恩智村甚兵衛翁米代銀手形 縦23.8㎝、横13.6㎝
収納箱①七宝繋芭蕉三階菱紋蒔絵箱 縦21.2㎝、横27.0㎝、高21.1㎝②黒漆塗箱 縦25.8㎝、横33.7㎝、高24.7㎝
3面 附 2冊2通、2合
大阪府八尾市千塚3丁目180-1
八尾市指定
指定年月日:20111208
有形文化財(美術工芸品)