籬菊蒔絵机
まがきにきくまきえつくえ
概要
籬菊蒔絵机
まがきにきくまきえつくえ
奈良県
桃山
地覆をつけた几帳面取四脚の机で、脚の三方に三本ずつの菱形桟を嵌める。甲面両端に筆返しをつくり、それの外側を巻込耳とする。総体黒漆塗、甲板の意匠は右に籬、左に蔦のからむ柴垣をえがき、 中央の土坡とともにそれぞれ一叢の菊に薄を配する。手法は金平蒔と上梨子を交えて描き、菊の葉には針書で葉脈を表す。岩は薄肉の蒔絵に金銀の切金をおき、筆返しの部分は梨子地に平蒔の桐紋をおき、甲板の側面及び脚にも蒔絵の桐紋を配する。
高24.8 甲板横長102.5 幅38.0 厚2.0 (㎝)
1基
公益財団法人大和文華館 奈良県奈良市学園南1-11-6
重文指定年月日:19630701
国宝指定年月日:
登録年月日:
近鉄グループホールディングス株式会社
国宝・重要文化財(美術品)
形の構成に変化があり、図様も味わい深い佳品である。岩、竹、蔦などの表現に室町様式の名残が認められ、いわゆる高台寺蒔絵の先駆的作品として、蒔絵史上において注目すべき遺例である。