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古九谷色絵牡丹獅子文銚子

こくたにいろえぼたんししもんちょうし

概要

古九谷色絵牡丹獅子文銚子

こくたにいろえぼたんししもんちょうし

工芸品 / 江戸 / 関東

東京都

江戸

素地は白磁質で、脚端裏と蓋裏周辺部および身の口縁部を除いて、全体にやや青味を帯びた白色の釉薬をかけて染付と上絵を施し、提梁・三脚を附した蓋のある銚子。胴部は上辺がわずかに突出して檀を造り、前方先が二又に分かれた弓形の提梁を付け、注口は扇形の粘土板を折り曲げたものがほぼ水平に付く。底は丸底で、三方に小さな棒状の脚を比較的内側に付す。蓋は中央がややくぼむ円形平板で小さな球状の鈕が付き、身の口部に落としかける。文様は器表を大まかに覆う牡丹唐草に、自由に動き回る五頭の獅子を蓋から胴全体にかけて上絵で描く。注口には雲形を白抜きで表し、提梁の背には染付で菊花を三つ置いて唐草文で結んだ菊唐草文を描き、その元部分の裏側にも上絵で文様を施す。牡丹花・蕾には赤、葉・茎・獅子・雲形は黒で線描し、そのうち獅子・葉は藍・緑、茎は紫で彩る。注口の付根と蓋裏、身の口周囲には黄線を廻らす。底の三脚の中央には藍釉で牡丹の葉を描く。蓋裏中央に黄釉が、身内部には小さな付着物があり、藍釉がそれぞれ施されている。

総高19.4㎝ 高16.8㎝ 口径13.2㎝ 銅径16.2㎝ 左右22.0㎝

1口

東京国立博物館 東京都台東区上野公園13-9

重文指定年月日:19620621
国宝指定年月日:
登録年月日:

国(文化庁)

国宝・重要文化財(美術品)

器形がよく整い、重厚な賦彩が古九谷の特色をよく表している。文様の描線は細かいが、牡丹唐草がゆるやかな曲線を絵外、五頭の獅子が躍動的に表現されている。賦彩・文様ともに優れた遺例である。

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