木造十二神将立像(巳神戌神)
もくぞうじゅうにしんしょうりゅうぞう
概要
像高70~80センチの十二神将像の二躯。もと京都府加茂町の浄瑠璃寺にあったと伝えられ,他にも二躯が東京国立博物館,八躯が別に所蔵されている。本二躯はそれぞれ頭頂部に蛇(巳),犬(戌)の標識をあらわす。いずれもヒノキ材の寄木造りで,玉眼を嵌入する。表面には漆下地を施した上に切金をまじえた華麗な彩色を施す。
製作に際しては図像を典拠にしたことが指摘されているが,彫刻としての立体感に破綻をきたすことなく,はげしい動感を的確につくりあげ高い格調を保っており,慶派様式を受け継ぐ鎌倉時代初期の正統仏師が造ったものと考えられる