善光寺跡
ぜんこうじあと
概要
大臼山善光寺は、19世紀初頭に江戸幕府が蝦夷地に設立した三官寺の一つで、寺格は第一とされたものである。文化3年(1806)には、本堂・庫裏のほか、鎮守社・愛宕堂・釈迦堂・一切経蔵・板蔵等が整っていたといわれるが、文政5年(1822)と嘉永元年(1848)の有珠山の噴火によって、そのほとんどが失われた。ただ、現在の本堂は、棟礼によれば天保7年(1836)に建てられたものと思われ、よく旧規をとどめている。
江戸時代後期の蝦夷地の歴史を考えるうえで欠かすことのできない貴重な史跡である。