玄宮楽々園
げんきゅうらくらくえん
概要
玄宮園と樂々園とより成るが、もと一つの庭園で、玄宮園或は北園とも呼ばれていた。彦根城の北部内堀と昔の内湖との間に位置する。延宝年間の築造と傳えられる。玄宮園は大池泉を穿ち、元島、新島など四個の中島を置き、東部から北部にかけて築山を築き、園路をめぐらしてある。巨石を組んだ元島とこれに相対して池に臨んで建てられた八景亭とが園の主景をなしている。八景亭からは園の全景を眺め得られまた彦根城の天守とその樹林とは園の美しい背景と借景とをなしている。
文化年間槻御殿を増築し玄宮園の一部を修補して樂々園とする。園の現況は枯山水、であって枯滝と枯流とがありその石組にみるべきものがある。
玄宮樂々園は江戸時代に発達した大名庭であり、彦根城の景観とよく調和した優秀な庭園である。