六義園
りくぎえん
概要
元禄年間柳澤吉保ノ創設スルトコロニシテ元禄十五年園ヲ六義園、館ヲ六義館トシ景勝八十八境ヲ選ベリ將軍徳川綱吉、桂昌院等屡來遊セリ吉保卒後一時荒廢シ文化年中復興セシガコノ時既ニ六義館、吟花亭等廢滅セル箇所アリ明治初年岩崎家ノ所有ニ歸シ園ノ修補ヲ行ヒ景觀ヲ囘復シ昭和十三年東京市ニ寄附セリ
中央ニ池ヲ設ケ中島ヲ置キ島ニ妹背山アリ東南部ハ平坦ニシテ芝生ナレド其ノ他ノ部分ニハ大小多數ノ築山起伏シ北部ニ最大ノ築山藤代峠アリ各所ニ桃ノ茶屋、瀧見ノ茶屋、吟花亭、熱海ノ茶屋、つヽじ■茶屋、蘆邉ノ茶屋等ノ亭■ヲ配ス
園ハ改修セラレシ箇所少カラザルモ其ノ主要部ハ保存セラレ江戸ニ於テ作庭セラレシ庭園ノ中現存セルモノトシテハ有數ノモノナリ
元祿年間柳沢吉保の築造にかかる。
景趣平明温雅にして江戸に作庭された庭園のうち同時代爛熟期のものとして特にすぐれている。